倉庫ギャラリー「車石」展のお知らせ

倉庫ギャラリー「車石」展
         -京津街道の車石・車道-

今年(2014年)の9月22日から28日まで、山科区御陵上御廟野町の日本科学遊園の倉庫をお借りして、京都で初めての「車石」展を開催します。2012年に開催された大津市歴史博物館での「車石」展(大津市歴史博物館と車石・車道研究会の共催)につづく展覧会です。規模も内容も小さな手作りのミニ車石展ともいうべき内容ですが、京津街道を中心に展示します。
【展示】
・牛車・車道の模型(真田孝男氏制作)・車石の実物とレプリカ
・京津街道の車石写真(復元車道、学校の車石展示・民家の車石など)
・車石の所在地図(大津~三条大橋の都市計画図)
・日岡峠道石塔・車石碑などの拓本
(日岡峠人馬道碑・経王護国塔、修路碑、京津国道改良工事紀年碑、量救水、復元粟田口刑場供養塔〈名号碑・題目碑〉など)
・文化年間車石敷設工事を進言した脇坂義堂、工事費の一部を寄進した日野商人中井源左衛門関係史料
・慶応年間逢坂峠切り下げ工事、日岡新道付け替え工事関係絵図、資料
・京津街道の絵図写真(山科郷麁絵図、車石敷設工事計画図、いずれも部分)
・木食上人日岡峠改修関係文書(安祥院文書)・「木食上人絵伝」部分
・車石研究のあゆみ(故近藤昌弘氏・故山嵜 廣前会長資料、当研究会発行のシンポジウム冊子・フィールドワーク冊子、新聞記事など)・その他
【関連イベント】(期間中)
・フィールドワーク(日岡峠道)
・車石の拓本を採ろう
・紙芝居の実演(紙芝居「車石」、
「木食上人と日岡峠」)
【会場】 地下鉄みさぎ駅の東300m

【期間その他】
・9月22日(月)~9月28日(日) 午前10時から午後5時

お知らせ

第11回 車石・車道シンポジウムのご案内  テーマ -日岡峠道を探る-

今回のテーマは、「日岡峠道を探る」です。京津街道の最大の難所と言われた峠は、近世を通して度々改修されています。中でも、木食正禅上人の車道改修工事は有名です。今回のシンポジウムでは、日岡峠道にかかわる改修工事や石碑、日岡村小上げ稼ぎ仲仕)などを取り上げるとともに、故近藤昌弘氏の先駆的研究「日ノ岡峠」から学びます。

【報告】①日ノ岡峠         …故近藤昌弘氏遺稿、紹介久保 孝

②故近藤昌弘氏の遺稿『日ノ岡峠』にかかわって    …久保 孝

③日岡、「ホッパラ町」―字名と日岡峠―         …武内良一

④「日岡峠人馬道 木食正禅建立」碑の謎       …久保 孝

●車石・車道を伝える

①紙芝居「木食上人と日ノ岡峠」           …北村 優

②五七五で綴る京津街道               …佐藤賢昭

③大津市立逢坂小学校の一番-逢坂小学校に車道復元  …上原邦雄

【会場展示】・「三条海道山科郷麁絵図」(写真)部分 ・「木食上人日岡峠人馬道」碑の拓本

・粟田口刑場前供養石塔の復元(題目碑・名号碑)・故近藤昌弘氏の遺稿など

【日程】 ■日時・・・2014(H26)年8月31日(日)午後1時20分~5時、(開場1時、展示あり)
■会場・・・アスニー山科(京都市生涯学習総合セ ンター山科)(地下鉄・JR・京阪山科
駅から徒歩5分)
■参加費 資料冊子代1000円(会員以外)

溝の深い車石(京都市伏見区竹田)

I最深車石2MGP1718これまでに見たたことのない溝の深さの車石です。溝の幅は、14~16cm、深さは20~21cmもあります。所有者の方は、「うちの亡くなったおじいさんが、『どこにもない一番溝の深い車石や』と自慢していた」とのこと。石材は、六甲花崗岩製。

京セラ「近世の伏見」展を終えて

IMGP1698京セラ「伏見の近世展」を終えて

 3月27日から4月26日までの一ヶ月間開催された上記展覧会に、4055人の観覧者を得て無事に終了しました。本研究会も展示に協力させていただき、伏見区の人たちに「車石・車道」を伝えることができました。車道・車石について、交通の要衝であった伏見の水陸交通のなかで捉え、観覧者に説明しました。車石関係の展示としては、実物の車石とレプリカをはじめ、正行院所蔵の地蔵堂絵馬、車道を行く牛車の模型(真田孝男氏製作)、鳥羽海道絵図(伊藤将氏文書・大津市歴史博物館寄託)、京都府紀伊郡第三区竹田村耕地全図(竹田西部連合自治会蔵)、「竹田の別れ」などの絵図を展示しました。

観覧者には、地元伏見区の人たちだけでなく、大阪や奈良などからの来館者もたくさん来られていました。会員の方々もたくさん来館されました。以下は、伏見展を振り返っての感想です。

・伏見区の小学校や中学校、山科区の小学校などに案内するとともに学校のイベントとして観覧されることをお願いして回りました。4月という忙しくかつ重要な時期だけに無理を承知で案内しましたが、竹田小学校(6学年)が来てくれました。当日は、竹田村耕地全図を前にして、全図は竹田校区のお宝であること、竹田小学校の場所や土地利用の様子、高瀬川・竹田街道、小学校の校門近くに展示している車石などについて、話しました。

・大津市や山科区に比べ、車石を目にすることが少ないようで、初めて車石を見る人が多かったです。
・牛車の模型や正行院の額絵は、車石や車道を説明する上で、分かりやすい資料でした。

・観覧者に解説するなかで、車石の所在情報などを得ることができました。また、耕地全図の解説のために竹田校区を見て回りましたが、その中で、溝の深さ21cm、溝幅16cmの車石を見つけ、見せていただきました。(大津市歴史博物館での「車石」展で、「深さ30cmもの車石が竹田にある」との情報を得ていましたが、その車石か)

・会期中、上鳥羽小学校の車石や伏見城関係の記事が「京都新聞」に載せられたこともタイムリーでした。

 

 

第10回シンポジウムを終えて

紙芝居「車石」

紙芝居「車石」

第10回シンポジウムを終えて

参加者は、のべ53人でした。今年は、2年前のテーマと同じく、「車石・車道を伝える」でした。昨年から今年にかけて、鳥羽街道の実相寺境内に車道復元され、今年に入って、大津駅西地区再開発に伴う再生住宅のアプローチに車石(レプリカ)がモニュメントとして設置され、大津市横木の閑栖寺では、これまでの車道・人馬道の拡充整備がなされ、京都府立桃山高校では、同窓会によって校門前の築山車石が整備され説明板が設置されました。また、「車石」紙芝居も紹介されました。

これらの報告以外にも多数の報告がなされました。発表者と内容の広がりを嬉しく思っています。その反面、報告時間が短くなり、報告者にご迷惑をおかけしました。詳しくは冊子をご覧下さい。